高血糖症対策・糖尿病予防

高血糖症対策糖尿病予防』には、 食事療法と運動療法などの「生活療法」が基本になり、それをサポートする形で医薬品や健康補助食品などを使用します。


高血糖症対策

■血糖値が高めとわかったら

血糖コントロールの中心は生活習慣の改善

厚生労働省調査によると、「糖尿病およびその予備軍とよばれる人」は、前回の調査より250万人増えて、約1,620万人に上ったそうです。 それも「糖尿病が疑われる人」のなかで、「糖尿病の治療を受けている人」は5割に過ぎないそうです。 糖尿病が怖いのは、糖尿病がきっかけとなり、さまざまな合併症が発生することで、特に血管に障害が現れます。 血中にコレステロールや中性脂肪が増加する「動脈硬化」、 目の毛細血管がおかされ失明することもある「糖尿病性網膜症」、 また、腎臓の細小動脈が硬化すると起こる「糖尿病性腎症」などが知られています。

高血糖症(糖尿病)は約80%が肥満と関係しているといわれ、アメリカでは肥満者の3〜4%が高血糖症(糖尿病)と推測されています。 しかし、日本では必ずしも肥満している人が糖尿病になりやすいというわけではありません。 遺伝的な要因もあるのでしょうが、肥満していない人でも高血糖症(糖尿病)になる人は数多くいます。 親族に高血糖症(糖尿病)の人がいる場合は要注意です。

『血糖値』は高ければ高いほど血管壁を傷つけますから、血管障害が起こる前に、 血糖値を上げない対策を考える必要があります。 「血糖コントロール」の中心となるのは、「生活習慣の改善」で、 食事療法、運動療法が基本となり、効果が見られない場合に薬物療法(経口血糖降下薬、インスリン)が加えられます。 なかでももっとも重要なのが「食事療法」です。 インスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)で症状が軽度ならば、多くの場合食事療法と運動療法だけで改善されます。 また、薬物療法を行っている人でも、食事療法を正しく実践しなければ、十分な効果は得られません。 しかし、一般に、欧米人に比べてインスリン分泌量が少ない日本人は、肥満とはいえない人でも高血糖症(糖尿病)になることがあり、 食事療法もそれゆえの難しさがあります。

また、自分の生活習慣を見直すためには、食事や運動の記録をつけることが大切です。 血圧や体重なども合わせて記録するとよいでしょう。


■高血糖対策のための生活習慣の改善

食事の量やバランスに気をつけ、運動を継続して行う

高血糖の改善の基本は、食生活を見直し、運動する習慣をつけることです。 特に糖尿病予備軍の段階では、糖尿病への移行を防ぐためにも、生活習慣を見直すことが欠かせません。 また、高血糖症(糖尿病)にはなりやすい体質がありますが、そうした体質があっても生活習慣を改善すれば、 高い確率で高血糖症(糖尿病)を予防することができることがわかってきました。 糖尿病予備軍のうち、糖尿病発症の危険因子を高める遺伝因子がある人とない人で、 生活習慣改善の効果を調べた調査があります。 その調査では、糖尿病予備軍の段階で生活習慣の改善を行わなかったグループを4年間調べたところ、 遺伝子がある人は半数近く、ない人でも30%ほどの人が糖尿病を発症していました。 しかし、生活習慣の改善を4年間行ったグループでは、遺伝子がある人もない人も、 共に糖尿病に移行した割合は20%以下に抑えられていました。 生活習慣の改善は、体質に関わらず、糖尿病発症率を下げる効果があるのです。

●高血糖対策の食事療法

高血糖対策の食生活改善の第一歩は自分の適正な摂取エネルギー量を知ることです。 1日に必要なエネルギー量は、体格や身体活動量などで異なります。 必要以上のエネルギーを摂れば、余分なエネルギーが肥満を招きます。 血糖値を上げやすい、甘いものの摂りすぎも避けましょう。 逆に多く摂りたいのが食物繊維です。食物繊維は血糖値の急上昇やコレステロールの吸収を抑えます。 また、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質をバランスよく摂るようにしましょう。 特に、エネルギー量の高い脂質は、摂りすぎに注意が必要です。 食習慣も見直しましょう。食事の回数を減らしたり、一度に極端にたくさん食べたりすると、血糖値が急に上がります。 1日3回、規則正しく、バランスよく食べるよう心がけてください。 2食分をまとめて食べたり短い間隔で食事をすると、血糖値が上がりやすくなります。 和食は低脂肪・低エネルギーなので、糖尿病予備軍の人にお勧めです。 食べすぎを防ぐには、”腹八分目”を心がけ、よく噛んでゆっくり食べることが大切です。 野菜などのよく噛む必要がある食材を多くしたり、摂取エネルギー量を抑えるために油を少なくするなど、 料理の工夫をします。また、お酒は控えめにし、禁煙します。

●高血糖対策の運動療法

運動をすると、筋肉がエネルギー源としてブドウ糖を消費するため、血糖値が下がります。 食事の約1時間後、血糖値が上昇してくる時間に散歩などの軽い運動を行うのがお勧めです。 運動を続けていると、インスリン抵抗性が改善され、2〜3週間で高血糖が改善されてきます。 運動には血圧や血中脂質を下げる効果もあります。 運動は、全身を使って行うウォーキングやジョギング、水中歩行などがよいでしょう。 中でも、ウォーキングは生活の中に取り入れやすいので、今日からでも始めましょう。 通勤や買い物などでは、エレベーター、エスカレーターよりも階段を使い、通勤電車では立つようにすると、 それだけでも運動の効果が上がります。
目標を立てることも大切です。太り気味の人は、まずは「3kg減量、ウェストサイズ3cmダウン」と目標に取り組みましょう。 運動を長続きさせるには、家族や友人と一緒に運動したり、体重を記録することなども効果があります。 運動の効果には次のようなものがあります。

▼すぐに現れる効果
血糖が筋肉に取り込まれるため、一時的に血糖値が下がります。 ストレス解消や血液循環を改善する効果もあります。

▼継続すると現れる効果
血糖値を下げる「インスリン」の働きがよくなり、同じ分泌量でも血糖値が効率的に下がるようになります。 「高血圧」や「高脂血症」が改善されるため、脳卒中や心筋梗塞などの合併症の発症リスクが減ります。 肥満が改善し、筋力や体力が増強します。

●高血糖対策の薬物療法

薬物療法によって、早期から積極的に治療を行う

合併症を防ぐための対策として、早期から血糖値を積極的に下げることの有効性が、最近の研究からわかってきました。 その研究の一つが「UKPDS」と呼ばれるイギリスの臨床研究です。 UKPDSは糖尿病を発症して間もない患者さんを、AとBの2つのグループに分けて行われました。 Aグループは食事療法を中心に治療が行われ、HbA1cを7.9%(NGSP)程度に保ちました。 一方で、Bグループは最初から薬物療法が行われ、HbA1cを7.0%(NGSP)程度に保ちました。
10年間の治療経過を観察した結果、網膜症や腎症などの細小血管障害の抑制効果は、 Bグループの方が高かったことが証明されました。 一方、心筋梗塞などの大血管障害に関しては、ほとんど差がありませんでした。 しかし、試験終了後さらに10年間観察を続けたところ、Bグループでは細小血管障害の抑制効果が継続するとともに、 心筋梗塞などの発症も抑えられていることがわかりました。 これは、試験中の10年間に渡る厳格な血糖管理の効果がその後も継続しているためで、「遺産効果」と呼ばれます。

【関連項目】  『糖尿病の薬物療法』


■自己管理のポイント

具体的な目標を設定し、体重や血圧も記録する

食事療法や運動療法を行うときには、食事や運動の内容を記録につけるようにします。 記録することによって、生活習慣を意識的に見直すことができます。 見直すときは、生活をどのように変えるのか具体的な目標を設定することが、 自分にできる改善法を考えるヒントになります。 また、記録をもとに、担当医からより具体的なアドバイスを受けられるようになります。

糖尿病に合併して起こる脳卒中や心筋梗塞を防ぐためには、高血圧や高脂血症にも気をつける必要があります。 血糖値や「HbAlc」だけでなく、「体重、血圧、ウェスト周囲径」なども定期的に測定し、記録するとよいでしょう。

【関連サイト】『高血圧症』『高脂血症』


■高血糖症対策と健康補助食品

満足感をプラスする食品、血糖値を上げない食品

インスリンの働きを悪くする原因の一つは、内臓脂肪の細胞内で作られる「阻害物質」です。 自分でできる対策は、まず内臓脂肪を減らすことでしょう。 食事で糖質を摂り過ぎている場合は、まずは食生活の改善が第一ですが、食習慣を変えるのは簡単なことではありません。 そこで、我慢するだけではなく、補助的に糖の吸収を抑えるサプリメント類を使用する方法もあります。 医師と相談の上で利用するのもよいでしょう。

▼量をたくさん食べないと満足できない人に
「こんにゃく製品」などがお勧めです。米に混ぜて炊くタイプのものを利用すれば、 通常の量のご飯を食べながら、摂取カロリーを減らすことができます。

▼甘いものを控えられない人に
甘味料になる健康食品を利用してもよいでしょう。 果実の「羅漢果」を加工した食品は、低カロリーで甘味が強く、ビタミン、ミネラル、水溶性食物繊維を豊富に含みます。 甜菜(ビーツ)などから作られる「アラビノース」は、甘味があると同時に、砂糖の吸収を抑える働きを持っています。
『ノンカロリー甘味料「羅漢果」』

▼糖質の分解や、インスリンの働きに関係する健康補助食品
「オオボウシバナ」(草津あおばな)や「サラシア」は、 それぞれ糖質分解酵素のα-グルコシターゼを阻害する成分を持ち、 小腸での糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を穏やかにするといわれています。
「シベリア人参」は、これまで主に強壮や抗ストレスの目的で利用されてきましたが、 近年では、インスリンの働きを活発にする効果が注目されています。
ミネラルの一種の「バナジウム」や、健康茶として飲まれている「バナバ茶」に含まれる成分には、 糖の細胞への取り込みを促すというインスリンに似た働きがあり、応用研究が進められています。
『シベリア人参』
『サラシア(コタラヒム)』
『バナジウム天然水』

▼糖の吸収を抑える健康補助食品
タラの芽に含まれる「エラノサイド」、桑の葉や桑の葉を主食とする蚕が持つ 「DNJ」などの成分に糖の吸収を抑える作用があるといわれています。
『桑の葉DNJ』
『桑の葉青汁』
『アオバナエキスと小麦エキス』

▼注目の成分
糖尿病対策として、「アディポネクチン」が注目されています。 アディポネクチンは体の脂肪細胞から分泌されるホルモンですが、糖尿病を抑える作用があると考えられ、 この物質を増やす方法が研究されています。 また、糖の消費を妨げ、メタボリックシンドロームを招く元凶インスリン抵抗性を退ける成分として、 「グリスリン」も注目されています。
『動脈硬化を防ぐ「アディポネクチン」』
『グリスリン』
『フィブロイン』

▼その他
タマネギ、ゴーヤー(にがうり)、食物繊維、高麗人参、ギムネマ、コロハ、 白いんげん豆抽出物などが高血糖によいとされています。
『玉葱(タマネギ)』
『ゴーヤー(にがうり)』
『食物繊維』
『高麗人参』
『ヤマイモ』