高血糖症(糖尿病)の治療と予防のための食事療法「コーヒーと緑茶」

欧米や日本の研究で、コーヒー緑茶を多量に飲むと 高血糖症(糖尿病)の発症リスクを減らすことができることがわかりました。
日常生活の中で緑茶やコーヒーなどを心がけて飲むという、ちょっとした生活習慣の見直しで、
糖尿病発症リスクが抑えられるなら、試し見る価値はあると思います。
(*本文は下の方にあります)



■緑茶・コーヒーと糖尿病発症リスクについてのコホート研究

緑茶多飲者は糖尿病発症率が30%〜40%ダウン

特定の集団の生活習慣などを調べ、追跡調査をして、のちに発症する疾病などを確認する研究を「コホート研究」といいます。 これまで欧米諸国でのいくつかのコホート研究で、「カフェインを豊富に含むコーヒーを飲む人たちは 糖尿病になるリスクが減少する」という結果が報告されていました。 が、同じようにカフェインを含み、アジア諸国で多く飲まれている緑茶やウーロン茶などについては研究されていませんでした。 そこで、某大学の教授が緑茶と糖尿病の発症についてのコホート研究を行ったところ次のような結果が得られました。

その研究ではまず、糖尿病や心臓疾患、がんの既往歴のない健康な40〜65歳の17,413人(男性6,727人、女性10,686人)を 調査対象に選びました。全員にコーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶の摂取についての質問に答えてもらい、 糖尿病と診断されたかどうかのデータを収集しました。 5年間の追跡調査の間に444人から糖尿病になったとの申告がありました(男性231人、女性213人)。 その結果、緑茶を週1杯未満しか飲まない人たちの糖尿病発症確率を1として計算すると、1日6杯以上飲む人たちは0.67となりました。 コーヒーを週1杯未満しか飲まない人たちの発症確率を1とすると、1日3杯以上飲む人たちは0.58。 それぞれ糖尿病の発症確率は30%〜40%ほど低くなっています。

この結果から、緑茶やコーヒーの摂取量と糖尿病発症リスクとの関係には、有意な関連性があることがわかりました。 1日の総カフェイン摂取量によって5群に分けて分析したところ、1日平均のカフェイン摂取量が最も低い97mg未満の人たちの 糖尿病発症確率を1とすると、およそ300mg以上摂取する人たちは0.6余にとどまっていました。 特に体格指数(BMI)が25以上の太り気味の人たちに発症リスクの低下が顕著でした。



●含まれるカフェインの働きか?

カフェインには次のような働きがあることが知られています。

  • 基礎代謝を促進させる
  • 筋肉での脂肪燃焼
  • 脂肪細胞などの末梢組織から遊離脂肪酸を放出し、脂肪細胞を縮小させる

糖尿病と肥満の関係はさまざまな研究で明らかになっていますが、カフェインの働きが肥満を抑制し、 それが糖尿病の発症リスクの減少につながっていると考えられます。 また、カフェインの摂取量が最も多い人たちに発症確率の低下が有意に見られることから、 発症リスクを減らすためには、ある程度以上の摂取量が必要と考えられます。

さらに、緑茶には「エピガロカテキンガレート」、また、コーヒーには「クロロゲン酸」 という有効成分が含まれています。これらには抗酸化作用があり、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)の改善も期待できます。 コーヒーに関する欧米の調査によると、ブラックで飲む人も砂糖やミルクを加えて飲む人も、効果に差がなかったため、 この調査でもブラックに限定せず、減量の必要な人以外は砂糖やミルクなどを好みで加えて飲んでもらいました。 その結果は、欧米での研究同様にコーヒーの飲み方による差はありませんでした。


●緑茶、コーヒーを飲む習慣づけを

しかしながら、緑茶やコーヒーが糖尿病の発症確率を下げるからといって、飲みたくもないのに無理をして飲むのは禁物です。 何か飲みたいな、一服したいなというときに、ジュースや炭酸飲料ではなく、緑茶やコーヒーを飲む、 そういった習慣づけをしていくといいでしょう。また、砂糖やミルク入りの缶コーヒーを毎日、多量に飲むのは感心しません。 砂糖やミルク自体にエネルギーがありますから、適度な量に抑えることが大切です。 緑茶を1日6杯、あるいはコーヒーを1日3杯飲むのは大変なように思えますが、3度の食事や休憩タイム、食後の団欒などで お茶やコーヒーを飲む機会は案外多いものです。

生活習慣に起因する糖尿病患者やその予備軍は増加傾向にあります。 日常生活の中で緑茶やコーヒーなどを心がけて飲むという、ちょっとした生活習慣の見直しで、 糖尿病発症リスクが抑えられるのなら、試してみる価値はあると思います。
なお、この調査では、ウーロン茶と紅茶は飲む人が少なかったため、統計上では糖尿病との有意な関連性は認められませんでしたが、 これらに効果がないとは判断できなということです。