高血糖対策・糖尿病予防に「ながら運動」

ながら運動』とは、日常生活の中で無意識に行っている動作に工夫を凝らし、 家事や仕事など日常動作を運動そのものに変えて運動量を増やし、糖尿病予防効果を高めようというものです。 ながら運動の特徴は、日常の動作を「少し素早く行う」「力をこめて行う」「大きく動かして行う」ことにあります。 こうした動作をすることで、順に、@有酸素運動の効果、A筋トレの効果、Bストレッチの効果 を同時に得ることができます。その結果、体のさまざまな筋肉に刺激が伝わり、基礎代謝量が高まるため、 血液中の糖が効率よく消費され、血糖値の上昇を抑えることが期待できるのです。



■運動不足の解消

家事は筋肉を使う立派な運動

皆さんは家事の運動強度が意外に高いことを知っていますか。 ある調査によると、家事労働は筋肉を鍛える効果が非常に大きいこともわかっています。 例えば、掃除機で掃除するときは2.7倍、そうきんがけでは4.5倍、布団の取り込みでは5.9倍も、 安静時よりも筋肉を使っていることがわかっています。 また、オーストラリアで行われた試験の結果、座ったまま過ごす時間を減らし、軽い運動を行う時間を増やせば、 血糖値の上昇を防ぐ効果の得られることが明らかになりました。 具体的には、洗濯やアイロンがけや食器洗いなどの家事を1日30分行うだけで、糖尿病の発症リスクが減ると報告しています。


●「ながら運動」

こうした家事の運動強度をさらに高め、血糖値の上昇を強力に防ぐ画期的な運動法が「ながら運動」です。 ながら運動とは、日常生活の中で無意識に行っている動作に工夫を凝らし、家事や仕事そのものを運動に変えてしまう というものです。例えば、掃除をしながらお腹と足腰の筋肉を強めたり、お皿を拭きながら二の腕の筋肉を鍛えたり、 椅子に座りながら太ももの筋肉を鍛えたりする、といった運動です。 高血糖対策・糖尿病予防のために運動が必要だとわかっていても、ほとんどの人は長続きせず、途中で挫折してしまいがちです。 その最大の理由は、仕事や家事の時間に追われ、運動に費やす時間がなかなか取れないからです。 また、スポーツジムやプールなど特別な運動施設が必要になると、通うのが面倒だったり、費用が気になったりすることも あるでしょう。中には、週末などに集中してきつい運動をする人も少なくありませんが、かえって疲労がたまり、 しだいに運動がおっくうになって挫折してしまうのです。 その点、ながら運動は時間や場所を選ばず、運動のための特別な時間を割く必要もありません。 道具や費用も要らず、疲労がたまる心配もありません。



●高血圧や冷え性の改善にも有効

ながら運動の特徴は、日常の動作を「少し素早く行う」「力をこめて行う」「大きく動かして行う」ことにあります。 こうした動作をすることで、順に、@有酸素運動の効果、A筋トレの効果、Bストレッチの効果を同時に得ることができます。 その結果、体のさまざまな筋肉に刺激が伝わり、基礎代謝量が高まるため、血液中の糖が効率よく消費され、 血糖値の上昇を抑えることが期待できるのです。 ながら運動を毎日の習慣にして続けると、まず肥満が解消し、メリハリのある体型になってきます。 それに伴い、糖尿病をはじめ、高血圧などの生活習慣病も改善に向かうと考えられます。 また、ながら運動を行うと血流も促されるため、冷えが解消したり、肩こりや腰痛、膝痛などが和らいだりする人も大勢います。 さらに、ながら運動をしているうちに、体のバランスを取る力も養われてきます。 年をとると、転倒したりつまづきやすくなったりしますが、ながら運動は、そうした足腰の老化を防ぐ力もあるのです。 ただし、ながら運動は簡単にできる運動ですが、一気にやりすぎると疲れが残り、思うような効果が得られません。 小分けにして何度も行うと、結果的にたくさんの運動量になるのです。



●ながら運動の例

▼電車内で片足立ち
1.電車のつり革や手すりにつかまり、片足を浮かせる。
2.地面に着けているほうの足を伸ばしたまま、お腹にギュッと力をこめ、そのまま30秒維持する。
(左右3回ずつを1セットとして、気づいたときにこまめに行うとよい)
▼電車内で膝の押し合い
1.座席に座って背筋をピンと伸ばし、両足のくるぶしと両膝の内側どうしをぴったりと合わせる。
2.太ももの内側がピリピリするくらい、両膝に力をこめて10秒押し合う。
(1回10秒を目安に、気づいたときにこまめに行うとよい)
▼家事で足上げ歩き
1.お腹をへこませ、背筋を伸ばしてまっすぐ立つ。
2.ふだん歩くより少し高く膝を上げて歩く。
(食後の後片付けなど室内を少し歩くときに行う。30秒歩くのを1回として、1日2回は行うとよい)
▼家事で腕上げお皿ふき
1.肩幅に両足を上げ、お腹をへこませ、背筋を伸ばして立つ。 その姿勢で、両手をまっすぐに伸ばし、お皿とふきんを肩の高さで持つ。
2.お皿を右に回しながらふいて、1週したら、今度は左へ回しながら1週ふく。
(お皿を10〜15枚ふく時間行うといい)
▼家事で腰落とし
1.両手をそろえて掃除機を持ち、背筋を伸ばしてお腹をへこませる。
2.左足を1歩前に踏み出し、膝を直角に近づけるように曲げ、上体はまっすぐにする。
3.そのままの姿勢で、上体を左にひねりながら掃除機をかける。
4.10秒やったら、1の姿勢に戻り、今度は右足を1歩前に踏み出して、上体を右にひねりながら掃除機をかける。
(左右各10秒を3回ずつ、合計1分ほど行うのが目安)

これまで運動が長続きしなかった人も、ながら運動なら必ず続けられるはずです。 毎日の習慣にして、糖尿病予防を初めとした健康づくりに役立ててください。