糖尿病を改善する「亜鉛」が多く含まれている食品

『亜鉛』はカキやレバー、ゴマに多いが、効率よく摂るなら粉茶の活用と亜鉛食品が最も有効。


■味覚障害は亜鉛不足の疑い大

この項では、亜鉛の摂り方について解説していきます。
その前にまず、あなたの体内に亜鉛が不足しているかどうかをチェックしてみましょう。 亜鉛が不足すると、私たちの体にはさまざまな異変が起こります。 中でも、最もわかりやすい症状が「味覚障害」とされます。 私たちがものを食べた時に味を感じるのは、舌の味蕾という部分の細胞(味細胞)が刺激を受けるから。 この味細胞への刺激が情報として脳に伝えられることで、初めて味を感じるわけです。 味細胞はとても寿命が短く、どんどん新しく生まれ変わっています。 亜鉛は、味細胞の生まれ変わりに不可欠な栄養のため、不足すれば味細胞が衰え、口に入れたものの味が脳に伝わらなくなるのです。

味覚障害以外でも、口内炎や口角炎ができやすかったり、爪が変形・変色していたり、抜け毛が多かったり、 精力が衰えていたりすれば、亜鉛不足が疑われます。糖尿病や高血糖の人はもちろん、そうでなくてもこうした症状に当てはまる人は、 積極的に亜鉛を摂るように心掛けましょう。


■亜鉛の吸収を妨げる食品を避けるのが肝心

私たちが利用している日常食品の中で、最も豊富に亜鉛を含んでいるのは、貝類の牡蠣でしょう。 牡蠣には、100mg当たり13.5gもの亜鉛が含まれています。 亜鉛の必要摂取量は1日15mgなので、普通の大きさの牡蠣を4〜5個食べれば、1日の必要量が補える計算になります。 また、豚レバーやゴマ、小魚、きな粉、ウナギなどにも亜鉛は豊富に含まれています。 これらの食品も、食生活の中でうまく摂るようにしましょう。 特にきな粉には、インスリンの合成に欠かせないタンパク質が豊富に含まれています。 緑茶にも、亜鉛が多く含まれています。しかし、普通に煎じて飲むと、残った茶殻に亜鉛の多くが残ってしまいます。 そこで、緑茶は茶葉を丸ごとすりつぶして摂れる抹茶や粉茶にして飲めば、亜鉛を余すことなく補えるでしょう。 ただし、緑茶にはカフェインが含まれているので、特に高齢の人は飲みすぎないようにしてください。

ところで、亜鉛を摂る場合、一緒に摂る食品に注意してください。 というのは、亜鉛の多い食品を摂っても、亜鉛の吸収を妨げる食品を同時に摂っていたのでは、体に補給されなくなるからです。 中でも、特に避けたいのがポリリン酸という食品添加物です。 かまぼこやハムなどの練り製品を練り上げる際に粘着力と弾力を高めるために使われるほか、 食品の変色防止やチーズなどの風味づけに使われます。食品添加物として体内に入ったポリリン酸は、大部分が体外に排出されます。 その際に、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅などのミネラルと結合して排出され、亜鉛不足を招くのです。 他にも、便利な即席ダシやラーメンやスープなどのインスタント食品の中にも、体内の亜鉛を体外へ排泄してしまう 食品添加物が含まれています。最近では、一人暮らしの若者ばかりでなく、主婦・中高年の人までが、 インスタント食品やファストフードを食べるようになりました。 そうした食生活の変化が、糖尿病の患者数の増大を招いているのは間違いないでしょう。


また、食事の際には、よく噛んで食べることも心がけてください。よく噛んで食べることで、必要な栄養の吸収を促すとともに、 食べ過ぎを抑える働きが期待できます。そこで私は、噛みごたえがあって亜鉛がたっぷり摂れる手作りの 「ミネラルたっぷりふりかけ」を考案し、糖尿病の患者さんに勧めています。作り方は次のようにします。

【材料】
しらす干し(大さじ2)、板ワカメ(大さじ2)、桜えび(大さじ2)、大葉(大さじ1)、 白ごま(大さじ1)、煮干し(大さじ1)、ごま油(小さじ1)
@
板ワカメは細かく砕き、大葉はみじん切りにする。しらす干し・桜えび・板ワカメ・大葉の順番に、ゴマ油で炒める。
A
@に細かく砕いた煮干し(またはもともと粉末の煮干し粉)と白ごまを加えて炒める。 粗熱を取ったら出来上がり。

ミネラルたっぷりふりかけは、ご飯にかけるだけでなく、納豆に加えたり、茹でた野菜と和えても美味しく食べられます。 また、亜鉛ばかりか、ビタミンAなどのビタミンや亜鉛以外のミネラルも効率よく摂ることができます。 なお、ご飯にかけて食べる際は、ご飯の食べ過ぎには気を付けてください。

最近では、亜鉛のサプリメントも市販され、簡単に手に入ります。 毎日手軽に亜鉛を摂りたいという人は、こうした食品を利用してもいいでしょう。