高血糖・糖尿病によい健康飲料「コーヒー」

コーヒー』には、糖の燃焼を促す「カフェイン」が多く、 コーヒーをよく飲む人は糖尿病の発病率が4割も低下するとされています。 また、カフェインに加え、血糖降下成分「クロロゲン酸」の含有量が多いほど、効果が高まります。 コーヒーに含まれるクロロゲン酸やマグネシウムには、血糖値を下げるインスリンの効果を高め、 糖尿病になりにくくしているのではないか、と考えられています。 高血糖対策に食後一杯のコーヒーを飲んで糖尿病を予防しましょう!!


■コーヒーの糖尿病を予防する効果

コーヒーは肝臓病や癌、動脈硬化も防ぐ

深い香りと味わい、そして、飲むと爽快感が得られることから、世界中で愛飲されている『コーヒー』。 みなさんの中にも「一杯のコーヒーがないと1日は始まらない」という人が多いのではないでしょうか。 そもそも、コーヒーが現在と同じ方法(煎ったコーヒー豆にお湯を注ぎ、その抽出液を飲む)で飲まれるようになったのは、 15世紀後半、イスラム教の僧侶たちが夜通し行う祈祷の際の眠気覚ましとして、また、日常の活力を生み出す秘薬として 用いるようになったのが最初といわれています。
その後、コーヒーは、世界中に広まりました。そして近年では、多くの研究や調査によって、コーヒーには肝臓病や癌、 動脈硬化など、実に多くの病気の予防効果のあることがわかっています。 その中でも最近、特に注目されているのがコーヒーの糖尿病を予防する効果です。 それについては、世界各国で調査研究が行われています。

まず、大規模な調査結果を発表したのは、オランダの研究グループです。約1万7000人の男女を対象とし、 平均で約7年間にわたり追跡調査した結果、コーヒーを1日に7杯以上飲む人は、1日2杯以下の人に比べ、 糖尿病の危険度が約1/2以下になる、という報告をしています。 また、2004年、米国の研究グループは、約4万人の男性と約8万人の女性を対象に、数年にわたる追跡調査を行い、 その結果を報告しました。その調査では、カフェインを含むコーヒーを1日6杯以上飲む人は、全く飲まない人に比べて、 糖尿病の発病率が男性で約5割、女性で約3割も低かったのです。 なお、この調査ではカフェイン抜きのコーヒーを飲む人でも糖尿病の発病率は低下しました。 しかし、同量のカフェイン入りコーヒーを飲む人に比べて、糖尿病に対する予防効果は低かったとしています。 このほかにも、世界各国で実施された調査で、カフェインを豊富に含むコーヒーを飲む人たちは、 糖尿病になる危険度が低下する、糖結果が数多く報告されています。


■カフェイン

体内の糖や脂肪の燃焼が促される

前述のような調査結果から、コーヒーの糖尿病を予防する効果には、「カフェイン」 が深く関係していることが推測されます。 カフェインは、自律神経のうちの交感神経を優位にして、眠気を覚ましたり、集中力を高めたりする効果があることで 知られています。さらに、カフェインで交感神経が優位になることによって、体内の糖や脂肪の燃焼が促され、 それが糖尿病の発病を抑えるのに役立っている、と考えられています。

一方、日本でも、2006年に大阪大学大学院医学系研究科の磯博康教授が次のような調査報告を発表しています。 この調査は、コーヒーや緑茶などのお茶類の摂取量、及びカフェインの摂取量と糖尿病の発病率の関係について、 1988年から5年間にわたって実施されたものです。 調査対象は、糖尿病や心臓病にかかったことのない健康な40〜65歳の17,413人(男性6,727人、女性10,686人)でした。 このうち、調査の5年の間に糖尿病と診断された人は、444人でした。 さらに、調査結果をコーヒーに絞って分析したところ、コーヒーを週1杯未満しか飲まない人たちの発病率を1とすると、 1日に3杯以上飲む人たちは0.58となりました。つまり、この結果からいえることは、コーヒーを1日3杯飲めば、 糖尿病の発病率は4割も低くなるということです。同様に緑茶についての調査では、週1杯未満しか飲まない人たちの 糖尿病発病率を1とすると、1日6杯以上飲む人たちは0.67でした。 この結果からも、コーヒーと同様にカフェインを含む緑茶を1日6杯飲めば、糖尿病の発病率は3割程度抑えられたのです。 ちなみに、この調査では、コーヒー1杯を170ml、緑茶1杯を200mlとして計算しています。

さらに、磯教授は、対象者の1日のカフェイン摂取量についても分析しています。 すると、1日平均のカフェイン摂取量が最も少ない97mg未満の人たちの糖尿病は発病率を1とすると、 およそ300mg以上摂取する人たちは0.6程度にとどまりました。なお、特に太り気味の人たちに発病率の低下が 著しかったとしています。 こうしたことから、カフェインが豊富なコーヒーをはじめ、緑茶などの茶類を日常的に多く飲む習慣を持つことは、 糖尿病の予防に大いに役立つと考えられるのです。 しかも、最近の研究で、コーヒーに含まれる糖尿病に効果のある成分は、カフェインだけではないことがわかってきました。

●最新の研究結果

カフェインが入っているコーヒーを1日に6杯以上飲むと糖尿病になりにくいという研究結果が、アメリカのハーバード大学を 中心とする研究チームの調査で分かりました。研究チームは、18年間にわたり、食べすぎや運動不足などが原因で起こる U型糖尿病について、延べ125000人以上を対象とした大規模な調査を実施しました。 調査によれば、1日にコーヒーを6杯以上飲む人は、コーヒーを飲まない人に比べて、糖尿病になる確率が約50%減り、 女性では約30%減ったそうです。カフェインが入っていないコーヒーでも効果はありましたが、 カフェイン入りのコーヒーの方が効果が大きかったようです。
コーヒーには、コーヒー独特のにおいを作り出す抗酸化物質「クロロゲン酸」やマグネシウムが豊富に含まれています。 研究チームはこうした物質が血糖値を下げるインスリンの効果を高め、糖尿病になりにくくしているのではないかと発表しています。 調査したのが砂糖入りのコーヒーかどうかという大事な点が明らかにされていませんが、 砂糖を入れたコーヒーをガブガブ飲んでしまっては、逆効果なのは明白。さっぱりとブラックでお試しください。


■クロロゲン酸

インスリンの分泌を促す成分

前述のように、コーヒーの糖尿病を予防する働きは、主にカフェインによってもたらされると考えられていました。 しかし最近、コーヒーには、カフェインのほかにも優れた薬効を示す成分が含まれていることがわかってきました。 それが「クロロゲン酸」です。クロロゲン酸とは、ポリフェノールの一種で、コーヒー豆の色と香り、 酸味のもとになっている成分です。大豆やサツマイモの皮などにも微量に含まれていますが、 コーヒー豆の含有量が飛び抜けて多いのです。 実は、このクロロゲン酸には強力な抗酸化作用があり、癌や動脈硬化などの生活習慣病の予防や改善に効果があるとして、 多くの研究が行われています。しかしクロロゲン酸の薬効はこれだけではありません。 クロロゲン酸には血糖値の調節をしているインスリンの分泌を促したり、肝臓の糖新生(たんぱく質や脂肪から 体内で糖を作り出すこと)を促す酵素の働きを阻害したりする作用のあることが実験でわかったのです。 こうしたクロロゲン酸の効果が知られるようになったことから、欧米の製薬会社では、クロロゲン酸を利用した 糖尿病の治療薬の研究が進められています。

●クロロゲン酸の血糖上昇抑制効果実験

熊本県立大学の奥田拓道教授らは、ラットを使った次のような実験を行いました。 まず、ラットに麦芽糖とコーヒー豆の抽出物を同時に与えた場合と、麦芽糖だけを与えた場合で血糖値の変化を調べた結果、 コーヒー豆の抽出物を同時に与えた方が血糖値の上昇が抑えられました。 また、この実験では、クロロゲン酸と血糖値の関係も調べており、クロロゲン酸が血糖値の上昇を効果的に抑制することも 確認しています。こうしたことから、クロロゲン酸は、血糖値を下げる効果のある優れた成分として、 注目されるようになったのです。


■糖尿病の予防効果を高めるコーヒーの入れ方

インスタントコーヒーが便利

糖尿病予防を期待して飲むなら、カフェインに加えて、クロロゲン酸が豊富に含まれているコーヒーほど、 その効果は高くなる、と考えられます。ところが、残念ながら、クロロゲン酸は熱に弱いという性質があり、 コーヒー豆を高温で焙煎する段階で、その多くが失われてしまいます。 そこで、クロロゲン酸をできるだけ多く摂るためには、コーヒーの入れ方に工夫が必要です。

まず、コーヒー豆を選ぶときには、モカやエスプレッソ用の豆のように焙煎する時間が長く、高温になる深煎り豆よりも、 アメリカンコーヒーなどに使われる浅煎り豆の方を選びましょう。 というのも、浅煎り豆の方が、モカなどの深煎り豆よりクロロゲン酸の含有量が2倍以上も多いからです。 また、インスタントコーヒーには浅煎り豆が多く使われているので、手軽な方法としてこれを用いるのもいいでしょう。 さらに、コーヒー豆からクロロゲン酸を多く抽出できる理想の湯の温度は、80℃。 コーヒーを入れるときには、沸騰直後ではなく、やや時間を置いて温度が下がった状態で入れるといいでしょう。


■糖尿病の予防効果を高めるコーヒーの飲み方

1日1gのシナモンで血糖値が30%も低下

糖尿病予防のためにコーヒーを飲むときは、砂糖なしのブラックが適しており、飲みにくい場合は、 ミルクを加えてもかまいません。また、糖尿病の予防効果を高める飲み方としては、 コーヒーにシナモンを加えるのもいいでしょう。 シナモンは、スパイスの一種で、体にいい働きをする生薬として知られています。 古くから糖尿病に効果があるといわれていましたが、最近、米国のある研究家によって、 そのことを実証する報告が専門誌に発表されました。 その報告によると、U型糖尿病の患者さんにシナモンを1日当たり1g、3g、6gずつ摂る3つのグループに分けて、 それぞれ40日間飲んでもらったところ、全ての量のグループで血糖値をはじめ、コレステロール値、中性脂肪値が 30%以上も低下したといいます。こうした結果から研究家は、1日1g(小さじ1/4程度)のシナモンを摂るだけで、 血糖値を下げる効果が得られるとしています。 そこで、糖尿病予防のためには、浅煎り豆で入れたコーヒーにシナモンをほんの少し加えて飲むのが有効です。


■クロロゲン酸を手軽に摂れる「生コーヒー豆エキス」

クロロゲン酸を豊富に含む市販品も登場

クロロゲン酸を有効に摂取するには上記のような方法がいいのですが、もっと手軽に摂取できる方法もあります。 それが「生コーヒー豆エキス」です。 これは、焙煎前のコーヒーの生豆から有効成分を抽出したものです。 コーヒーの生豆には、焙煎後のコーヒー豆の5倍以上ものクロロゲン酸が含まれています。 しかも、生コーヒー豆エキスには、クロロゲン酸の他に糖や脂肪の燃焼を促すカフェインも豊富に含まれています。 そのため、クロロゲン酸とカフェインが相乗的に働いて、糖や脂肪を減らし、糖尿病や肥満などを防ぐ優れた効果が 期待できるのです。

こうした生コーヒー豆エキスの効果は、次のような実験で確認されています。
まず、血糖値に対する効果を調べた実験では、ラットを2グループに分け、一方のグループには糖分のみを、 もう一方のグループには糖分とともに生コーヒー豆エキスを与えてそれぞれの血糖値の変化を調べました。 その結果、生コーヒー豆エキスを与えたグループは、血糖値の上昇が明らかに抑えられたのです。 さらに、ヒトを対象にした試験も行われています。健康な成人男性6人(平均年齢39.5歳)に、 1日200mgの生コーヒー豆エキスを4週間にわたって飲んでもらったところ、4人に血糖値の低下が見られました。

肥満を防ぐ効果も次のような実験で確認されています。
ラットに、生コーヒー豆エキス、クロロゲン酸のみ、カフェインのみをそれぞれ混ぜたエサを与えて2週間飼育し、 体重や体脂肪に及ぼす影響を調べたのです。その結果、カフェインやクロロゲン酸のみを混ぜたエサを与えたラットよりも、 生コーヒー豆エキスを混ぜたエサを与えたラットの方が、体重の増加を抑える効果が上回っていたのです。 また、ヒトによる試験でも、生コーヒー豆エキスの肥満防止の効果は確認されています。

以上のような試験結果から、生コーヒー豆エキスを摂ると、高血糖、糖尿病の予防・改善やダイエットに大きな効果が 得られると期待できます。最近は、生コーヒー豆エキスを含むコーヒー製品も市販されているので、 糖尿病が心配な人や肥満気味の人は、そうした製品を利用するといいでしょう。