糖尿病の進行度C「ステージ3(第三段階)」

糖尿病の進行度は6段階あります。 第三段階は合併症があるため、血糖減らしだけでは不十分で、 糖が作る体内の悪玉物質「AGE」を減らす必要があります。
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■ステージ3

合併症の真の原因は悪玉物質「AGE」

ステージ3(第三段階)は、尿アルブミン値が19〜300以下の糖尿病患者です。 糖尿病の合併症がついに現れた段階ですが、この段階では合併症の自覚症状はほとんどありません。 「初めて自分が糖尿病だと知った」という患者さんの3割はすでにステージ3になっており、何らかの合併症を起こしています。 尿アルブミン値が19を超えるのは、糖尿病になってから5年以上経過してからです。 すでに神経障害が始まる時期ですから、目の合併症も現れているかもしれません。 すぐに眼科を受診してチェックしてください。 ただし、ステージ3は合併症の初期段階のため、ここから本気で治療に取り組めば、ほぼ確実に合併症を治すことができます。 自分の糖尿病の進行度がステージ3とわかったら、高い血糖値をいち早く下げて尿アルブミン値を正常化する治療を受けるように してください。

ところが、実は、糖尿病の合併症を防ぎ治すためには、血糖値を下げるだけでは不十分で、 もう一つ実践しなければならないことがあります。 それは、合併症を招く真の原因となる悪玉物質「AGE」減らしです。 AGEは、「終末糖化産物」という言葉の英訳の頭文字を取ったもので、糖がコラーゲンなどの タンパク質と結合してできる物質のことです。 血液中で過剰になり、行き場を失った糖は、血管の主成分であるコラーゲン線維に付着しますが、そのうちにいくつかは 「アマドリ化合物」という物質に変質します。このアマドリ化合物とほかのコラーゲン線維に付着した糖が結合すると、 AGEになります。 AGEは、神経・腎臓・網膜の血管を障害し、合併症を招く重大原因です。 しかも、AGEは放置していると、体内に10年以上とどまります。 そのため、合併症の予防や治療には、血糖減らしに加えて、体内のAGEを積極的に減らす必要があるのです。



●ステージ3の治療「AGE対策」

食品を高温加熱するとAGEは急増する

体内でのAGEの増加を防ぐには、高血糖状態をいち早く脱することが先決。 しかし、AGE対策としては、それだけでは十分とは言えません。 なぜなら、AGEは体内で発生されるだけでなく、ふだん食べている食品からも体内に取り込まれるからです。 AGEは、含有量の差こそあれ、ほとんどの食品に含まれています。 そこで、食品に含まれるAGEの多いものを控えるようにすることも有効なのですが、 合併症を退けるうえで特に注意したいのが、食品の調理法です。 AGEの含有量が少ない食品でも、油で揚げたり直火であぶったりする加熱調理を行うと、 食品に含まれる糖とタンパク質がメイラード反応(褐色物質を生み出す反応)を起こして、AGEが大量に発生してしまいます。 特に、魚や肉などを焼いたときにできる焦げには、AGEが高濃度に含まれています。

口から取り込まれたAGEのほとんどは胃や腸で分解されますが、約10%はそのまま体内に吸収されます。 さらに、そのうちの6〜7%は体内に長期間とどまり、長い年月をかけて体内に蓄積され、確実に体をむしばんでいき、 合併症を招く重大原因となるのです。 ある実験では、AGEを含む水を3ヶ月にわたってネズミに与え、腎臓の組織に及ぼす影響を調べました。 すると、そのネズミは血糖値が上がっていないにもかかわらず、腎症を発症していました。 つまり、食べ物から摂取したAGEも、糖尿病の合併症を引き起こす原因となることがわかったのです。 そこで、ステージ3の人は、AGEの増加を防ぐため、焼く・揚げるといった高温で加熱する調理法はできるだけ避け、 蒸す・ゆでるなどの比較的低い温度で調理するようにしてください。 また、当然ながら、食品を生のまま摂れば、AGEの摂取量は最小限で済みます。 ふだんの食事では、生で食べられる野菜や刺身などを積極的に摂ることもお勧めです。

このように、ステージ3の人は、高い血糖値を下げるとともに、体内のAGEの量を減らすことを忘れずに実践してください。 ステージ2以下の糖尿病または糖尿病予備軍の人も、合併症予防のためにAGE減らしを心がけるといいでしょう。

なお、ステージ4〜6は、中等度以上の合併症が発症している状態です。 ステージ4なら、治療を受けて合併症が治る確率は50%程度、ステージ5以上になると合併症の治癒はほぼ不可能になります。 そのため、たとえ合併症が起こったとしても、ステージ3の段階で発見・治療をすることが大切になります。 ステージ3ですぐに合併症の治療を始めれば、進行を止め、合併症を治すことが十分に可能なのです。