糖尿病の食事療法のポイント

糖尿病の食事療法の目的は、血糖値を適正な状態に管理するとともに、体内の栄養素、 およびホルモンやミネラルのバランスを改善して合併症を防ぐことで、そのために、食事を適切に管理します。 基本的には、空腹時の血糖値は130mg/dl未満に保ち、食後2時間の血糖値は180mg/dl未満に保ちます。 HbA1cでは、6.9%(NGSP)未満に相当します。 自分の身体活動量に合った適正なエネルギー量でバランスの取れた食事を毎日家庭できちんと摂るには、 「食品交換表」を利用すると、食品の栄養やエネルギー量がよくわかります。
(*本文は下の方にあります)


■糖尿病の食事療法のポイント

食事療法のポイントは、次のようになります。


●主食・主菜・副菜を揃える

食事の内容は基本となる栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質をバランスよく配分し、 不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に摂ることが大切です。 主食・主菜・副菜を揃えることで栄養バランスが取れてきます。 主食のごはんやパンなどでは糖質が、主采の肉や魚、卵、大豆製品などではたんぱく質が主に補給 されます。野菜、海藻などでビタミン、ミネラル、食物繊維などが補給されるのが副采です。 厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」(2005年度版)でも、食物繊維をもっととるべきである と指摘されています。食物繊維は、寒天や切り干し大根といった和食の食材に豊富に含まれています。

また、肥満を防ぐとともに糖尿病の予防になる食べ方の工夫として、脂肪の多いものや甘いものを 摂り過ぎないこと、味付けを薄くして素材の持ち味を活かすこと、おかずは1人分の皿に盛り、 茶碗を小さくすること、などがあります。



●食事は決まった時間に

血糖値の変動を少なくするために、1日3回の食事をほぼ均等分し、できるだけ決まった時間に 時間をかけて食べるようにしましょう。また、エネルギー量を抑えても、毎日の食事がおいしく 食べられるように食事に変化をつけましょう。 栄養専門学校などで習う方法もあります。


●重要な栄養素の補給

糖尿病の食事療法において注意が必要なのは、摂取カロリーを控えるときに、 ビタミンやミネラルが不足しがちになることです。 大事な栄養素が欠乏しないよう、バランスよく補給しましょう。 糖尿病対策としては、次のことを知っておくとよいでしょう。

▼ビタミンA
病気への抵抗力を高めます。

▼ビタミンB1・B2
ブドウ糖の代謝を高め、血糖コントロールを助けます。 糖尿病では乳酸がたまって疲れやすくなることがありますが、ビタミンB1には乳酸の分解を助ける働きもあります。

▼ビタミンC
血管を丈夫にします。また、風邪などの感染症から身を守ります。

▼ビタミンE
活性酸素などによって細胞が酸化されることを防ぎます。

食物繊維
胃に長くとどまり、消化吸収のスピードを緩やかにして、血糖値の急上昇を防ぎます。

亜鉛
インスリンを作るために必要なミネラルで、ブドウ糖が細胞に取り込まれる際にも 亜鉛が必要です。食品ではカキに多く亜鉛が含まれています。 また、サプリメントで亜鉛を補給して血糖の上昇を抑える研究が進められています。

バナジウム
微量ミネラルの一種ですが、血糖値を下げる効果が期待されています。 バナジウムは、一部のミネラルウォーターや、アサリなどの貝類、パセリ、黒こしょうなどに含まれています。


●外食するときのコツ

丼物や麺類などの単品より、品数の多い定食を選びます。また、量が多ければ残す習慣もつけましょう。 外食では野菜が不足しがちなため、その分、家庭で野菜を補います。 外食は最低限にとどめるようにしましょう。